「(大迫)半端ないって」のキャプテンは有能か?
皆さんも一度は、
「(大迫)半端ないって」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
2018年に新語流行語大賞にもノミネートされたこの言葉の元となる動画を、テレビやネットでみたという人も多いかもしれません。
ご存じない方のために、少しだけ説明しておきます。
「面白さ」に注目されがちな、この滝川第二の中西キャプテンですが、私は直感的に「この上なく有能なキャプテン」のように見えていました。
また、監督やその他のメンバーが写されたロッカールームの雰囲気は明るく、さすが強豪校と思えるこれまた、「この上なく上質なチーム」の印象を受けました。
ただ、その時は私の感覚的なものであって、それらの印象を裏付ける何のエビデンスがあったわけではありません。
しかし、ダニエル・コイルの『THE CULTURE CODE』という本と出会ったことで、私の勘は確信へと変わりました。
間違いなく、「あのキャプテンは有能だ」
そして、「あのチームは上質だ」
なぜ、私がそう思うに至ったかということを、次に述べていこうと思います。
弱さを見せられるか
リーダーの資質としてもっとも大事なことは何でしょうか。
ダニエル・コイルが、様々な実験や資料から導き出した結論は、「弱さを見せることができるか」というものでした。
著者曰く、
チームを強くするためにはメンバー相互の信頼関係を高める必要があり、そのために、メンバー間に「思いやり・助け合いの精神が大事」であることを浸透させなければならない。
その第一歩として、お互いが自分一人では何もできないことを自覚する、つまり「自分は弱いんだ」ということを見せあえることがポイントになるようです。
しかし、メンバーが自分の弱さをさらけ出す前に一つの壁があります。
それが、「リーダーが弱さを見せているか」という点です。
リーダーが強さしか見せていないチームにおいて、弱さを見せることは「自分の劣等性を示すこと」でしかなく、デメリットでしかありません。リーダーがまず自分の弱さを見せることで、メンバー間に弱さの開示が自然と生まれていく。その結果、思いやりの精神の大切さが共有されるため、チームの信頼感が高まっていくのです。
この点から、滝川第二のキャプテンは完璧です。
6対2という大差で高校生最後の試合を終えることになり、自分も相当悔しかったはずです。ただ、彼はあえて自分から弱さを見せ、チームの雰囲気を良くしようとしました。しかも、そこに笑いと相手チームへのリスペクトを込めるところがさらに素晴らしい点です。
脱帽するしかありません。
きっと今もどこかで素晴らしいマネジメントをしているんだろうな~ ^^
自分の人生を振り返ってみたとき、マネジメントをする側(ここで言うリーダー)として、『うまくいかないなぁ~』・・・っと悩んでいたときは、まさに「弱さを見せれない自分」だったことに気づきます。
ものすごく、自分のせいで集団がギスギスして悪い雰囲気なのに、どこに原因があるのかわからなかったあの頃・・・。あぁ、、、申し訳ない。
もし仮に、自分がある分野で完璧だったとしても、あえて自分から弱さをみせていける人でいたいですね。