人間も「腐ったみかん方式」で腐る?
「腐ったみかん」の話を今まで聞いたことはありますか?
みかんがたくさん入った箱に、腐ったみかんを一つ入れると、今まで健康だったみかんがどんどん腐っていく、ってやつです。
『3年B組金八先生』の中で用いられたことで有名となりました。
ドラマの文脈の中では、「不良がクラスにいると、クラス全体が悪くなる」的なニュアンスで使われていました。金八先生は、そんな理由で転校させられてきた不良と向き合っていく、的な感じだったと思います。
みなさんは、どう思いますか?
私は、「確かにそんな気もするけど・・・、腐らなこともあるのかな~?ん~、、、わかんねっ。」くらいに思っていました。
が、
前にも書いたダニエル・コイルの『THE CULTURE CODE』の中で、この問いを解くための実験が行われており、結論がでていました。
実験名は、「腐ったリンゴ作戦」。
アメリカでは、みかんじゃなくてリンゴなのね。笑
ってことは置いといて、その作戦と結果はこんな感じです。
腐ったリンゴ作戦
この実験は、チームの会議に一人の人物(仕掛け人)が「ある目的で」送り込まれます。その目的は、「チーム内の雰囲気を壊す」こと。仕掛け人は、あらゆる態度や言動でさりげなくチームの雰囲気を悪くする努力をします。笑
結果、
「腐ったリンゴ(空気壊しマン)がいると、結構みんな腐る」
ということが判明しました。笑
何と!この空気壊しマンがいると、チーム全体のパフォーマンスを平均で30~40%下げるようです。
恐るべきチームの敵・・・。
では、この空気壊しマンとはどんな人でしょうか?
安心な環境を阻害する「空気壊しマン」
チームの雰囲気をぶち壊し、パフォーンマンスを下げまくる「空気壊しマン」は、三種類に分けられるそうです。
もしかしたら、あなたの傍にもいるかも・・・。
①攻撃的・反抗的な人 ☚私、嫌い。
②あからさまな怠惰な言動をする人 ☚「言わなくていいから」ってやつね。
③愚痴・文句・人を小馬鹿にした態度 ☚気をつけないと…
この中にも順位がありそうだなと思いましたが、ないそうです。
どれも、同じくらいチームのやる気を削ぐ。
ここまででも十分面白いんですが、続きがあります。
おいしいリンゴ「中和マン」
この実験で、①~③の人がいるにもかかわらず、ほとんどパフォーマンスが下がっていないチームがいくつかあることがわかりました。
それらのチームには共通点がありました。
それは、チームの中に「おいしいリンゴ」と呼ばれる場の空気を中和する人が混じっているという点です。「おいしいリンゴ」は強力なリーダーシップがあるわけではありません。ただ、「腐ったリンゴ」がチームを腐らせようとした言動をしたとき、さりげなく「君はそう思うんだね。僕はこう思うんだけど、(他の人物を指して)あなたはどう思う?」と腐ったリンゴとメンバーの間にさっと入り、腐った部分を中和するような振る舞いをしていたのです。
カッコいい・・・中和マン。
優れたチームを作るには
ここまでくると、
「優れたチームをつくるには」という問いに自ずと答えが見えてきます。
①できる限り、空気壊しマンをチームにいれない
※ただ、入るときは入る。
②中和できるスキルを自分が身に着ける
※自分がいないなら、中和できる人を置く。
③安心できる環境を作る
「ここは安全な場所だよ」
そして、「君はここにいていいんだよ」
というサインを、リーダーがメンバーに送ること。
人間も「腐ったミカン方式」で腐る?
という、タイトルに対する答えは、
「基本腐る。ただその中に『おいしいリンゴ』が入っている時は腐らん」
でした。